“建築完了後しばらくお金が入ってこない場合倒産する恐れも…”
倒産が多いと言われてる業種のひとつでもある建設業。
なぜそのような事が多いのでしょうか?
今回は建設業の倒産の理由でもある”お金の流れ”についてまとめてみました。
すぐには入ってこないお金の流れ
建設業を営んでいる人は、お金の流れを理解していますが、これから建設業に参入する人はその流れを理解する必要があります。
建設業の特徴は、大きなお金が一度に動くことでしょう。例えば、ある工務店が住宅を一棟建築したとします。この場合には、2千万円から3千万円位のお金が発生することになるわけです。
当然お金が入ってくれば、それだけ余裕が出てきますが、通常は住宅を建築してすぐにお金が支払われるわけではありません。例えば注文住宅を建築する場合は、前金として建築費用の1割程度ないしは2割程度の支払いが行われます。
このお金もすぐに入ってくるわけではなく、契約をしてから1ヵ月後ないしは2ヶ月後位に入ってくるでしょう。
その後、住宅の建築は進み半年ほどで仕上がります。その間も通常はお金が入ってきません。
支出の方が先
もちろん別の仕事がありリフォーム業等を営んでいる場合は、契約の数だけお金は入ってきますが、新築住宅建築のみしか行っていない場合は、入金前に従業員の給料や事務所のテナント料金等の支払いにお金が流れていくでしょう。
この場合には、もし建築完了後しばらくお金が入ってこない場合倒産する恐れも考えなければいけません。
ある程度資金に余裕があれば良いですが、よほど特殊な住宅を建築していない限りなかなかお金に余裕が出てきません。特に小さな工務店等は、契約数もそれほど多いわけではなく自転車操業のところもあります。
住宅完成後2ヶ月ほどしてすべてのお金が入ってくることになりますが、その間は確実に経営を維持しなければならないでしょう。
住宅を建築するときに必要な資材等は工務店が購入しており、この分の支払いも考えなければいけません。
もし、お客さんからお金が入ってくればそれらの資材の支払いに充てることもできますが、もしお客さんの支払いが遅れてしまえば、資材の請求が先に来てしまい不渡りを起こしてしまう可能性も否定できません。
不渡りになってしまうと…
不渡りとは、建築材料等の金額の引き落としをしようとしても、その工務店の通帳にお金がないため引き落とせない状態です。この場合は、一発で信用を失ってしまい銀行取引が停止されてしまいます。
これは、金融機関からお金を借りることもできなくなってしまうことを意味しているわけです。そうすると、全くお金を借りるあてがなくなりお客さんからの支払いが少し遅れただけで倒産する恐れがあります。
このようなパターンを避けるために、すぐに現金化できる仕組みが重要になります。
ひと昔前ならば、現金化する仕組みは難しかったかもしれませんが、最近ならばそのような仕組みを整えておくことも決して不可能ではありません。
ちなみに現金を借りる場合は、不渡りを起こした銀行以外に取引を求めても難しいことがほとんどです。なぜなら、不渡りを起こした情報はすべての金融機関に筒抜けだからです。いかにして不渡りを起こさないような経営をしていくかは大事になりますね。
建設業を営むにはこのようなお金の流れを理解してなければ、経営は難しいでしょう。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。