“経営者の資金の管理能力によって…”
倒産が多いと言われている建設業。
理由は多々ありますが、競合他社に勝てなかったという事と運転資金を守れなかったと言う事が代表的な理由かと思われます。
何故、そういう状況になってしまうのでしょうか?
競合他社に勝てない理由
建設業は、赤字のところが多いと言われています。もちろん黒字のところもありますが、住宅の建築スタイル等によって明暗が分かれるところです。
住宅スタイルで言うと、珍しい住宅を建築するところは比較的仕事が多いです。
例えば、輸入住宅を専門的に扱っているところなどは、他にライバル会社が少ないことから競合はほとんどいません。ブルーオーシャンのようなところで戦うことになるため、比較的安定した収入を見込むことができます。
しかし、個性のない住宅を建築しているような業者は、価格競争に巻き込まれてしまいます。
同じような住宅建築をしている工務店やハウスメーカーばかりが周りにあると、お客さんのほうは個性で選ぶと言うよりも安さで選ぶ傾向があります。そのため、よほど個性的な住宅を建築するか何かパーソナルブランドなどがある場合でない限り価格競争になり利益を出すことができなくなってしまいます。
運転資金を守れない理由
もう一つは、お金の管理がいい加減な会社は知らない間に湯水のようにお金が出て行き倒産する恐れが考えられます。
その会社の経営者の資金の管理能力によって明暗が分かれると言っても過言ではありません。
実際に、その会社の社長や社長夫人などのお金の使い方が荒いと、みるみるうちに運転資金がなくなってしまい、気がついたときには不渡り等を起こしてしまう可能性があります。
不渡りとは?
不渡りとは、手形の満期日にだった場合その手形に書いてある金額を支払わなければいけませんが、それより少ないお金しか預金がない場合です。この場合には完全に会社の信用が失われてしまう恐れがあります。そうすると、銀行の取引が停止される恐れが考えられるわけです。
建築業界の運転資金も、銀行から借りているケースが多いことを考えれば、1度でも不渡り手形が出てしまった場合その会社の息の根が止まることを意味します。
一昔前は、2回まで不渡り手形を出しても良かったわけですが、不動産バブルが崩壊した後は金融機関の経営も厳しくなり寛容な態度をとることができなくなっています。これは令和の時代でも同じで、金融機関からの信用を失わないように財布の紐を引き締めなければならないところです。
建設業の運転資金を確保するためには、とにかくお金のめぐりを良くすることが必要です。
お金のめぐりを良くするためには、魅力的な商品を提供しなければいけません。魅力的な商品とは、お客さんの感性を刺激するような商品と言い換えても良いでしょう。
お客さんは、お金がないと言いながら本当に欲しいものは借金をしてでも購入するものです。
特に住宅は、個性的な一面を示してお客さんの購買意欲を刺激すれば、もともと住宅ローンの仕組みも整っているためお金がなくても購入することができるわけです。
もちろんそのためには審査に通る必要はあります。しかし、少しでも多くそのようなお客さんを増やしていけば、たくさんの人からお金が入ることになり、運転資金も充実してきます。結果的に、息の長い経営をすることができるでしょう。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。