“『季節運転資金』は季節や特定の時期ごとに…”
運転資金は企業が事業を行うために必要となる資金の総称であり、例えば商品や材料を仕入れる費用やオフィスの家賃、従業員の人件費などが当てはまります。
資金が不足してしまえば支払いが出来ませんし、事業継続が困難になる可能性もあることから企業を運営する上で必ず必要となります。
使用目的に応じて種類が分かれており、資金繰りをする際や金融機関から融資を受ける際に種類分けを知っておくことが重要になります。
今回はそんな運転資金6種類についてまとめてみました。
運転資金6種
経常運転資金
運転資金は全部で6種類に分かれており、そのうちの『経常運転資金』は企業が今現在運営している事業をそのままの状態で維持し、運営し続けるために必要となる資金です。
この資金が必要となる理由に日本企業が主に掛取引を採用しているためであり、掛取引では入金と支払いの間にタイムラグが発生するため、その間の資金不足を補うためにこの資金が必要となります。
掛取引では現金と引き換えにして商品を受け取る方法ではなく、先に商品を引き渡すことによって支払いは後日行う方法です。
一般的に”信用取引”や”つけ払い”と呼ばれる方法であり、入金はまだなのに支払いをしなければならないという状態、つまり入金・出金のタイムラグを埋めるためにこの資金が必要となります。
増加運転資金
次に上げるのが『増加運転資金』があり、事業を現状のまま維持するための資金に対して事業が順調に成長して売上が増えている時に必要となる資金を指します。
これは売上が増えれば、出ていくお金も同時に増えるので通常よりも資金が必要となることが関係します。
例えば商品の生産数が増えると、材料や商品の仕入れが増えることや、新しい取り引き先や顧客が増えるので諸経費も増えるなどした時に、資金を投入して経営の成長を支える必要があります。
ここでもし十分な資金が用意出来ていなければ、売上が黒字であっても資金不足を起こして倒産する黒字倒産に至るケースも考えられます。
減少運転資金
『減少運転資金』は、事業が不調で売上が減少している時に必要となる特徴を持っています。
売上が減少すれば仕入れなどの変動費が減りますが、固定費は減りませんし従業員の賞与や事業所の家賃、水道光熱費などは売上に関わらず一定額の支払いが発生します。これらの不足分を補うためのつなぎ資金として必要となる場合が多いです。
季節運転資金
『季節運転資金』は季節や特定の時期ごとに必要になる資金として利用されており、主に夏・冬のボーナス月は従業員へのボーナス支給のために人件費が通常よりも増えます。
他にも業種によって季節的に売上が下がる月などこの時期に資金が余分に必要になるという場合に、不足分を補填する際に使われます。
設備未払金決済運転資金
『設備未払金決済運転資金』は、事業を行う上で必要となる機器や設備を購入したりリースする際に必要となる資金です。
企業にとって長期的に経済的効果が期待できるもの、資産価値のある設備や機器などを取得する資金として、事業所や工場、店舗の増設や拡張などが含まれ、この購入費用の一部が半年以上支払えなかった場合その未払分に充てる資金を指します。
その他
そして最後は「その他」として、スポット資金や諸条件の悪化による追加資金などが含まれます。
運転資金とは上記の6種類に分ける事ができる資金です。
経営状況に応じて目的に最適な資金繰りをおすすめします。